アライグマを捕獲した話

※2024年8月15日後日談追記

タイトルの通りなのだけど、業者任せではなく自分で工夫しないと捕獲できなかっただろうなと思うところがあり、またここにメモを残すことにした。

要約すると「餌はリンゴではなく キャラメルコーンメロンパン がいいみたいですよ」というだけの話。

経緯

長年同居している亀たちがアライグマに襲われた話は以前書いた通り。それ以来毎年庭に現れるようになり(毎年違う個体の筈)、2023年は 5/22 夜にチビっ子たちを目撃、他所で捕獲されたようなことを聞いた。

今年は 6月半ば頃から毎週のように気配があって、庭を荒らされるようになってしまった。
最初に気付いたのは 6/15 早朝。前日に庭で亀が卵を産んだ辺りを掘り返された形跡があった(卵は人間が回収済み)。幼獣の笹鳴きのような声が聞こえたのが 6/21 夜。この時までは姿は見ていない。翌週 6/28 夜、屋外にある空のゴミ箱を漁っているのを目撃し、更に翌週 7/5 夜にはまた亀の産卵穴(同じく回収済み)を嗅ぎ回っているのを見た。
何故かいつも自治体の窓口が休みに入る金曜日の夜に来るという律儀さ。何なの。

  • 6/15 早朝 亀の産卵穴を掘り返す
  • 6/21 夜 幼獣の笹鳴き(?)
  • 6/28 夜 ゴミ箱を漁る
  • 7/5 夜 亀の産卵穴を嗅ぎ回る

雨が降るといつも獣臭いし、昼間亀たちを庭に出すと彼女たちも砂利を慎重に入念に嗅ぐような仕草をするようになってしまう始末。病原体を撒き散らされても困るしこれは駆除しかあるまいと、自治体に連絡して箱罠を掛けてもらうことにした。

箱罠について

ググると普通はもっと大きめの罠をかける事が多いようだけど、今回設置されたのは入口が 20cm 四方くらい、長さが 45cm くらいの小さめのもの。餌を付けたフックを引っ張ると入口が閉まるタイプ。

見かけた個体は尻尾を除いた尻から鼻先までが 50cm はあるように見えたので、正直なところちょっと不安になってしまった。手先が器用で力も強いので、檻が閉まっても自力でこじ開けられるのではないか、とか。

業者の方によると、体長 60cm くらいまでなら大丈夫、とのことだった。

餌について

自治体の担当の方からは餌はリンゴ「 」いいですよとか言われたのだが、この時期の貯蔵リンゴって高いしその割にさほど(人間の味覚としては)美味しくないのでどうかなーとは思った。とりあえず初めは言われた通りにしたものの、7日経ってもかからず。

自治体の補助による箱罠の設置期限が最大 2週間だったので、8日目からは条件を変えてみようと思って、餌を変えた。業者の方によると、バナナは聞いたことないですねーキャラメルコーンとかはたまに聞きますけどー、とのことだった。あんまりかからないもんですよー、とかも言っていた。(……え?)

ざっと検索してみた中で、北海道厚真町のハスカップ農家、ハスカップファーム山口農園の山口善紀さんという方の体験談が合理的かなーと思ったので、できる範囲で真似してみることにした。

アライグマにはメロンパン? 面白いほど捕れた、アライグマ捕獲の体験談 – マイナビ農業
https://agri.mynavi.jp/2022_07_19_198327/

よく言われるアライグマに人気の食べ物ランキングトップであるところのキャラメルコーンと、メロンパンを贅沢に盛り合わせてみた。
キャラメルコーンは目の小さいネット(生ゴミ袋)に入れてフックにつけ、メロンパンはその下の地面に釘付けにするように固定。そして檻の外から手を突っ込んで餌だけ取り出すようなことがし難くなるように、餌のある奥側だけに檻の外から段ボールを被せてみたりした。器用だから段ボールだけをどかすくらいは簡単だろうと思ったけど、面倒臭くない(開口部から侵入する)方を選んでくれるかなーという期待を込めて。さらにダメ押しで、檻の入口から真ん中に誘導するように、キャラメルコーンを 3粒ほど転がしておいた。あからさまな罠。

結果、餌を変えてからものの数時間でかかった。(歓喜)

ちょっと小柄な気もするし、庭を荒らしていたのと同一個体なのかどうかは不明なのだけど、ひとまず自治体の予算という名の市民の血税を無駄にせずに済んで良かった。

生の果物より加工食品の方が安いし保存が効くし手軽なので、餌はこっちの方「 」良いと思った。朝見たらきれいに平らげてあったので、東京郊外でアーバンライフをエンジョイするグルメなアライグマにとってもきっと美味しかったことだろう。東ハトさん、敷島製パンさん、ありがとうございました。

餌の要らない巣箱型の罠

我が家のような住宅街エリアには向かないかもしれないけど、地域の特性によっては別のタイプの罠もあるらしい。餌要らないのいいなー。

問い合わせが殺到!? 大分・アライグマの習性いかした“巣箱型ワナ” – 1ミリ革命 – NHK みんなでプラス
https://www.nhk.or.jp/minplus/0027/topic035.html
※2025年3月30日追記:オリジナルのページが消えてしまった。アーカイヴが Wayback Machine にあったのでリンクを追加しておく。→ https://web.archive.org/web/20241126043414/https://www.nhk.or.jp/minplus/0027/topic035.html

アライグマは、木の中にできた隙間“樹洞”などを住み処にしているため、それを模して作り、中に穴を開けておくと、巣だと勘違いして入ってきます。さらに、好奇心がとても旺盛で、構造物があるとつい近寄りたくなってしまう習性もいかしています。この「巣箱型ワナ」は、水路、ため池、河川など、アライグマが好む水辺の環境に設置されています。

この記事に出てくる大分市職員の島田健一郎さんは、そもそも北海道大学大学院に籍を置いて研究していた方だとかで、なんとアライグマ対策専門の職員らしい。自治体が対策に取り組む姿勢からして違う。素晴らしい。

対策に取り組む姿勢

ちなみに今回、自治体の担当の方がなぜリンゴと言ったのかは分からないものの、「特に深くは考えていないから」以外の理由があるとするなら、最初からベストな餌を使って捕獲に失敗して学習されてしまったら厄介だからではないか、とはちょっとだけ思った。(最初から失敗する前提なのかよという話はとりあえず脇に置いといて。)
同じ餌を使い続けるとだんだん捕獲できなくなっていく、という話があることからすると、キャラメルコーンやメロンパンは最終手段で、慣れさせてはいけない禁断の味かもしれない。
確たる根拠はないけれども。

あとは、今回餌を変えてすぐにかかったのはもちろん新しい餌が魅力的だったからではあるんだろうけど、それまでの 7日間ずっとそこにリンゴがあったからこそ、8日目に餌が変わった時にも警戒せずに喰い付いてくれたのではないか、とか。

いずれにしても本人(本獣)に聞かなきゃ分からないので確かめる術はひとまず無いのだけど。

最大限好意的に考えるとそうなるのだがしかし、雑感として、自治体も駆除業者も正直なところあんまりやる気は感じられなかった。かかったと連絡したら驚いていたようだったし。(え゛ー……)
予算出してくれるだけ、対応してくれるだけまだマシ、というところか。(う゛~む……)
マイナスをゼロに戻す仕事は、プラスを生み出す仕事と比べれば確かに喜んでやりたい類の仕事ではないのかもしれない。

感情の話

アライグマ、見た目の体格よりも声が可愛らしくて(高くて)、唸り声も威嚇の吠え声も小型~中型犬っぽかった。キャンキャン気味のワンワン。なるほどそういう感じか。大人しくしおらしくしている限りにおいては可愛いと思う。あくまでそれは現実的ではないけれども。

飼いたいと思ってしまう人がいるのも分かる気はするし、擬人化したりキャラクターとして愛でたくなるような気持ちも理解はできる。「やりたい」と「できる」の間には大変な隔たりがあるけれども。そして殺処分がかわいそうだと思ってしまう気持ちも、分かる。生きてるわけだし。でも野放しにしておくわけにもいかないし、捕獲した個体を生涯面倒見る為のリソースはない。

亀を喰われた時は復讐に燃える鬼のような心持ちだったのだけど、時間が経ち、いろいろ調べたり目撃したり考えたり、いろいろあって、今はただ哀れだなぁという感情が残っている。ここにいなければ命まで取られることはないのに。この地域で生まれなければ迫害されなかったのに。

すまないね、人間の身勝手で。

後日談 来襲は続く ※2024年8月15日追記

駆除から3週間、獣臭もなく平穏に過ごしていたのに、先日ついにまた来たのを目撃した。午前6時半頃、もう外は明るいにも関わらず、2匹でデカい鳥みたいなけたたましい声を上げてギャーギャー騒ぎ散らかしおって……。

一体塒は何処なのか。近所に古い空き家もあるし1km圏内に水路もあるので、その辺りから来るんだろうなぁとは思うのだけど、そこは個人でどうこうできる話ではないので手詰まり感。我が家に来た個体だけ捕獲しても、キリがない。

一応自治体に通報と餌の話はしておいたものの、ホントどうにかならんのかコレ……。

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