筆ペンと、水筆ペン的なもの

世の中に数多ある文房具や画材の類の中で、近頃筆ペンが気になっている。きっかけは金色の画材だったりするのだがそれはまた後日書くことにして、今日は筆ペンと水筆についての備忘録。
※公式にアナウンスされていること以外は全て自己責任。一応念の為。

経緯

家にあった筆ペンが、インク漏れで残念なことになっていた。新たに 2 本も買ってあったし、よく見たら穂先に変な癖がついていたので、これはもう要らないだろうということで、興味本位で分解してみた。あわよくば水筆として再利用できたら良いなという期待も込めて。(ちなみにインク漏れは多分長いこと放ったらかしたせいであって、ペンの品質に問題はないと思う。)

分解したのはぺんてる筆の薄墨タイプ。※2022年10月4日リンク更新
https://www.pentel.co.jp/products/brush/pentelfude_usuzumi/
不祝儀用にしか使っていなかった。

これとは別に、水筆を使ってみようと思ってひとまず買ってあったのが、呉竹フィス水筆ぺんの中筆タイプ。
https://item.kuretake.co.jp/kuretake-web/DispDetail.do?volumeName=00002&itemID=t000100035727
使ってみて、穂先に供給される水分量の調整が難しいなと思っていたところ。絵手紙や顔彩のための商品のせいか、思ったより水がじゃぶじゃぶ出てくる感じで、使いこなすまでにはもうちょっとかかりそう。
(ちなみにちなみに、顔彩耽美スターリーカラーズは良い。粒子の細かい輝きが上品で美しい。)

筆ペンの洗浄

染料インクの製品なのでまずは流水でざっと水洗いしてみたら、漏れたインクはほとんど落ちてキレイになった。もっと頑固かと思って覚悟していたので、若干拍子抜け。さすが染料インク。透明軸のシールに染みたインクは落ちないので、そこはシールごと剥がした。「逆ネジですよ~(※意訳)」と書いてあるのだが、シールを剥がせば透明軸の外からネジ山が見えるしひとまず問題は無さそう。
(ちなみにサクラクレパスの水筆 1 も逆ネジらしく、ぺんてるの筆ペンと互換性があるという情報を見たことがある。)

さらに、穂先についた変な癖はお湯に浸けて改善。公式には 70℃ が良いという情報あり。
https://twitter.com/pentel_pepe/status/1069822692486856704
http://pentel.blog.jp/archives/17030200.html
(ちなみにブログ記事の方は他にもいろいろと情報満載で涎が出そうな内容、かつこの備忘録の存在意義が無くなるくらい構造についての解説も充実している……)
うっかり写真を撮る前にお湯に浸けてしまったので、比較写真は無し。無念。

筆ペンの分解

本来はキャップ、透明軸(穂先を含む)、インクカートリッジの 3 パーツに分かれるだけで、カートリッジを交換することでインクを補充するタイプのペンだが、今回はカートリッジをさらにバラバラに分解してみた。
【写真】ぺんてる筆ペン分解の図
インクカートリッジの口に嵌っている黒いパーツは素手では外れないので、カッター等を使って慎重に。というわけで外すのが面倒だしどうしても傷は付くので、水筆としてのリユースはイマイチかなぁ。(ただし頑張れば水は入る。ちなみに、試しにこのパーツ無しで薄紫色のボディを直接透明軸にねじ込んでみたところ、案の定水漏れした。黒いパーツ大事。※追記:代わりにOリングを入れると水漏れはしないが、つゆだく仕様になってしまうのでそれはそれでイマイチ。素直に水筆を買ひたまへ。 ※さらに追記:透明軸の部分を分解して細工してみたら割と良い感じになった。

水筆とは明らかに違うのが、カートリッジ内に仕込まれている 2 本のパイプ。これがインクフローを程好く調整するのに寄与しているっぽい。こちらはなくても、水筆としては使える。
パイプがあった方がフローが渋めになるので、例えば万年筆用のインクを入れてオリジナルカラー筆ペンに改造したいという向きには、パイプはある方が良いのかも。繊細にできているんだなぁ、筆ペンって。

黒いパーツとパイプの接続部分には、空気とインクが通ると思しき小さい穴が。
【写真】接続部分(上左)とパイプ後端(上右)
↑接続部分(上左)とパイプ後端(上右)
【写真】黒いパーツ 透明軸側(右上)とカートリッジ側(右下)
↑黒いパーツ 透明軸側(右上)とカートリッジ側(右下)
黒いパーツには、写真のように白いパーツが嵌っている。動きはしても外れなかったので、構造はしかとは分からず。

水筆ぺんについて雑感

ついでに水筆ぺんの写真も少しだけ。
こちらも水入れ部分の口に黒いパーツが嵌っていて、これも外すことを想定していないようなので、こちらはひとまず外さないでおいた。
【写真】呉竹 水筆ぺん
【写真】水入れ部分の口(左)と筆先部分の水入れ側(右)
↑水入れ部分の口(左)と筆先部分の水入れ側(右)
この黒いパーツが少々厄介で、これがあることによって、水入れの水を捨てても(振るとちゃぷちゃぷするくらい)残ってしまい、中が乾くまでにかなり時間がかかる。頻繁に使うなら水を入れっぱなしで良いのだろうけど、そうでなければ干したい。カラッと乾かしたい。何か手はないものか。(PE と PP だし、エタノールとか入れても大丈夫だろうか。数回濯げばあるいは……)

ひとまず水筆に関しては、買う前にもうちょい調べても良かったなと若干反省。ひと口に水筆と言っても、製品によって――つまり想定している用途や設計によって――使い勝手に案外差がありそう。
同じ呉竹の水筆でも水書用の製品 2 は水入れ部分の口が大きく空いているらしいし、パッケージの外からは分からなかったのだがぺんてるの水筆( ぺんてる みず筆 3 / ぺんてる Vistage(ヴィスタージュ)みず筆 〈 スリムタイプ 〉 4 )もやはり、水入れの開口部が大きいらしい。あと 6 月に発売されたトンボの TOMBOW WATER BRUSH 5 も。……んん?水入れの口が狭いのって、呉竹フィスのシリーズとその兄弟みたいな製品だけなのかな……?

いずれにしても、それぞれ穂先の感触が違うのはもちろん、穂先への水の供給量も製品によって違うようだし、やっぱりもうちょいちゃんと選ばないとな。うっかりうっかり。

ちなみに未確認情報としては他にも、

  • ステッドラー 6 (呉竹フィスと同仕様)
  • ホルベイン 7 (逆ネジ)
  • カランダッシュ 8 (ポンプ式)
  • ファーバーカステル
  • パイロット
  • kitpas(日本理化学工業) 9

等々も水筆を扱っているとかいないとか。でもファーバーカステルとパイロットは公式の製品情報が見つからなかったし、国内未発売とかいうケースもあるかもしれないし、やっぱり手軽に買えるのは呉竹かぺんてるかサクラクレパス、かな。いやしかし、ポンプ式って気になる。なにそれ万年筆みたい。

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