Inkscape0.91 フォント周りの環境改善
だいぶ前のことだが、Inkscape を 0.91 にアップデートした頃から、一部のフォントが一覧に表示されず、使えなくなっていた。そこそこ困ってはいて、でも面倒なのでその都度テキトーにその場を凌いできたのだが、先日とりあえず妥協できるところに落ち着いたので備忘録としてここに記録しておく。
環境
- Inkscape 0.91 r13725 (64bit)
- Windows 8.1 Pro (64bit)
※ちなみに Windows 10 Home (64bit) のノートPC でも同様。
症状
インストール済みのフォントはもちろん表示されるが、困ったのはインストールしていないフォントを一時的に利用したい場合。以前はフォント管理ソフトやフォントビューアなどで開いておけば大体使えたのだが、Inkscape 0.48.5 から 0.91 にアップデートした頃からフォント一覧に表示されなくなった。OpenType や TrueType 、アウトラインフォントなのかビットマップフォントなのか、といったフォントの種類は全く関係ないらしい。
(ちなみに GIMP 2.8.16 でもフォント用フォルダの設定をしていなければ同様。Photoshop Elements 11 や Krita 2.9.11 では特に設定をいじらなくても問題なく使える。)
妥協案
結論から言うと解決はしていないのだが、フォントの設定ファイルらしきものに 1行書き加えることでひとまず良しとした。
作業は Inkscape\etc\fonts\conf.d\51-local.conf
の <fontconfig>
と </fontconfig>
の間に <dir>d:\fonts\</dir>
を追加( d:\fonts\
は任意のディレクトリ)しただけ。
※変更前のファイルは念の為バックアップ。
経緯など徒然
日本語で検索してもさっぱり有用な情報が見つからないので試しに英語で検索したら、割とサクッとそれらしきものを発見。お約束である。英語面倒臭いとか言ってると問題解決を遅らせるだけだなと反省。
分かったことをざっと列挙する。
同じことで困っている人が海の向こうにもこんなに沢山!おお同好の士よ!
- インストール済みフォントでも、Windows のフォントディレクトリにコピーせずにショートカットとしてインストールしているとやはり使えない(一覧に出てこない)らしい。
- Pango というオープンソースライブラリに関連する問題らしい。(予備知識が無くて詳細は理解できず。)
- 一番簡単な解決策は、普通にフォントをインストールすること。(当たり前。)
- フォント管理ソフト使用の場合は「フォントをインストール時にフォントディレクトリにファイルをコピーする」ように設定。
しかし一時的にインストールしても使い終わったらアンインストールしたいので、インストール済みフォント一覧から当該フォントを探すのは面倒だよね~……っと思い、更にしつこく眺めていたところ見つけたコレを採用。
https://bugs.launchpad.net/inkscape/+bug/1416674
(このページの12番目のコメント)
I fixed this by editing Inkscape\etc\fonts\conf.d\51-local.conf
by adding <dir>d:\fonts\</dir>
between <fontconfig>
and </fontconfig>
where d:\fonts\
is my font directory
これならインストール済みフォントも、ここで指定したディレクトリに入れたフォントも両方使える。結果は良好だし、今までとそう変わらない手間で済むので、これで良しとした。
ちなみに件のコメントにはこんな記述も。
Changing <dir>WINDOWSFONTDIR</dir>
to <dir>d:\fonts\</dir>
in Inkscape\etc\fonts\fonts.conf
makes Inkscape to ignore the system fonts (if you want to see only the custom fonts list)
そんなわけで、近い場所にある似たような名前のファイルだが、こっちは特に意図がない限りいじらないように注意。
その他徒然
フォント管理ソフトについては、未インストールフォントのファイルが圧縮されていても解凍せずそのままプレビューできるととてもとても助かるのだが、最近はそういうの見当たらないなぁ。
ちなみに……今回重い腰を上げてようやくちゃんと解決する気になったきっかけは、カレンダー。innovator の黒くて大きい壁掛けタイプ(文字しか無いのにどことなく色気があってとても良いのだ。好き。)を使っているのだけど、前後の月の表示がないので、小さいのを自作。余計な罫線やら色々全て省いて超絶シンプルなのは、探すより作ったほうが早かった。A4 1面に 6ヶ月、を両面印刷で 12ヶ月分。もはや 3月までの分は用無しになってしまったけど。
innovator のと並べても違和感のなさそうなフォントをテキトーに選んで……と思っていたのだが、カレンダーとして見やすい太さのフォントが意外と無くて、しかも数字部分が等幅になっているフォントが意外と多くて、当初考えていた程すんなりとはいかなかった。小さく印刷した場合に程良い濃さやら2桁の日付部分の塊感やら可読性を考慮して、散々ゴニョゴニョした挙句に結局インストール済みフォントの中から採用。あぁ……
そろそろメインPC も Windows10 にアップグレードしたいのだけど、フォント周りや諸々確認事項があってもたもたしているうちに期限が迫ってきた。尻に火がついている現在。